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持分法適用会社が親会社株式等を処分し、個別財務諸表上で売却損益を計上している場合、親会社自身による自己株式処分差額と同様に資本剰余金または利益剰余金として処理します。

また、当該持分法適用会社に対する投資勘定を同額加減します(自己株式基準18項)。

持分法適用会社が親会社株式等を処分した場合の仕訳

(前提条件)

  • P社は、A社株式の30%を取得し、持分法適用会社としている。
  • 当期中にA社はP社株式を1,000(取得原価)で取得した。
  • 当期末においてA社が保有するP社株式の時価は1,200であった
  • A社はP社株式1,000を1,400で売却し、売却益400を計上した。
  • 法定実効税率は40%とする
(個別財務諸表上の仕訳)

A社の個別財務諸表上では以下の仕訳を行います。

P社株式の売却時の仕訳
(借方) 現金 1,400 (貸方) P社株式 1,000
有価証券売却益 400
(借方) 法人税等 160 (借方) 未払法人税等 160
(持分法適用に関する仕訳) P社株式に係る仕訳のみ

A社が計上した当期純利益(この設例では有価証券売却益 400‐法人税等 160)のうち、P社の持分に相当する額を持分法にて、連結財務諸表に取り込みます。

当期純利益の認識
(借方) 投資勘定 72 (貸方) 持分法による投資損益 72
  • ( 売却益 400 – 税金 160 ) × 30% = 72

上記の仕訳で認識した利益のうち、P社株式に係る部分を資本剰余金(自己株式処分損益)に振り替えます。なお、資本剰余金が負の値となる場合には、利益剰余金から減額することになります。

自己株式処分差益への振替
(借方) 持分法による投資損益 72 (貸方) 資本剰余金 72