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連結手続き上で消去された未実現損益は、連結財務諸表固有の将来減算一時差異に該当します。

連結財務諸表固有の将来減算一時差異とは、連結消去・修正仕訳を行うことで、連結貸借対照表上の資産(負債)が、個別貸借対照表上の資産(負債)よりも小さく(大きく)なり、将来、その差異が解消されるときに、連結財務諸表上の利益を減額することによってその減額後の利益額がその連結会社の個別財務諸表上の利益と一致する関係をもたらすものを言います(連結税効果指針6項)。

将来減算一時差異のイメージ
将来減算一時差異のイメージ

当期に未実現利益を消去した分だけ、連結財務諸表上の資産が個別財務諸表上の資産よりも小さくなります。その結果、商品を売却した際の個別上の利益は連結上の利益よりも少なくなっています。よって、未実現利益の消去は連結財務諸表固有の将来減算一時差異になります。

未実現利益の消去に伴う税効果(棚卸資産)

(前提条件)

  • 子会社の棚卸資産に含まれる未実現利益は200であった(売却元は親会社)。
  • 親会社の売却時の実効税率は40%である。
(連結消去・修正仕訳)
未実現利益の消去
(借方) 売上原価 200 (貸方) 商品 200
未実現利益の消去に伴う税効果
(借方) 繰延税金資産 80 (貸方) 法人税等調整額 80