子会社が親会社から仕入れた商品200が期末日現在在庫として残っており、この在庫には親会社が付した利益40が含まれているケースを例に考えてみましょう。

棚卸資産に含まれる未実現利益のイメージ
棚卸資産に含まれる未実現利益のイメージ

このような場合には、まず親会社が子会社に商品を販売した取引を消去します(損益取引の消去)。その後、子会社が期末時点で保有している商品に含まれている親会社が付した利益40を消去します(未実現利益の消去)。

棚卸資産に含まれる未実現利益の消去仕訳(当期)

(前提条件)

  • 親会社の当期の売上高は全額子会社に対するもののみであった。
  • 子会社の当期の仕入高は全額親会社からのみであり、期末日現在、すべて在庫として残っている。
  • 各社の個別財務諸表は以下のとおりであった。
親会社子会社の個別財務諸表
(連結消去・修正仕訳)
損益取引の消去
(借方) 売上高 200 (貸方) 売上原価 200
未実現利益の消去
(借方) 売上原価 40 (貸方) 商品 40

親会社の個別損益計算書上は売上高200、売上原価160、結果として利益40が計上されている一方で、子会社の個別貸借対照表には親会社から仕入れた商品200がすべて在庫として計上されています。

この企業集団をひとつの会社と見た場合、親会社が計上した売上は全額子会社向けであるため、連結財務諸表上は消去することになります。また、子会社の商品の中に含まれている親会社が付与した利益も未実現利益なので消去します。この例では親会社が計上した売上高200と売上原価160は全額消去され、子会社の商品200から親会社の利益40を控除した160が連結貸借対照表の商品として計上されることになります。

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