未実現利益の消去に係る税効果(実現した場合の会計処理)
未実現利益が実現した場合の処理は、以下のようになります。
未実現利益が実現した場合の税効果(棚卸資産)
(前提条件)
- 子会社の棚卸資産に含まれる未実現利益は200であった(売却元は親会社)。
- 親会社の売却時の実効税率は40%である。
- 翌年度において、前期の未実現利益200が全額実現した。
(連結消去・修正仕訳)
未実現利益の消去(翌期)
開始仕訳
(借方) | 利益剰余金期首残高 | 200 | (貸方) | 商品 | 200 |
実現仕訳
(借方) | 商品 | 200 | (貸方) | 売上原価 | 200 |
未実現利益の消去に伴う税効果(翌期)
開始仕訳
(借方) | 繰延税金資産 | 80 | (貸方) | 利益剰余金期首残高 | 80 |
実現仕訳
(借方) | 法人税等調整額 | 80 | (貸方) | 繰延税金資産 | 80 |
未実現利益の実現に伴う税効果の仕訳は、償却性資産の場合であっても同じです。減価償却の実施に伴い未実現利益が実現するので、それに対応する繰延税金資産を調整していくことになります。
未実現利益が実現した場合の税効果(償却性資産)
(前提条件)
- 当期末に親会社は子会社に建物(簿価100)を300で売却した。
- 親会社の売却時の実効税率は40%である。
- 子会社では残存価額は0、耐用年数5年、定額法にて償却を行っている。
(連結消去・修正仕訳)
未実現利益の消去
(借方) | 固定資産売却益 | 200 | (貸方) | 建物 | 200 |
未実現利益の消去に伴う税効果会計
(借方) | 繰延税金資産 | 80 | (貸方) | 法人税等調整額 | 80 |
(連結消去・修正仕訳)
未実現利益の消去(翌期)
開始仕訳
(借方) | 利益剰余金期首残高 | 200 | (貸方) | 建物 | 200 |
実現仕訳
(借方) | 減価償却累計額 | 40 | (貸方) | 減価償却費 | 40 |
- 200 ÷ 5年 = 40
未実現利益の消去に伴う税効果会計(翌期)
開始仕訳
(借方) | 繰延税金資産 | 80 | (貸方) | 利益剰余金期首残高 | 80 |
実現仕訳
(借方) | 法人税等調整額 | 16 | (貸方) | 繰延税金資産 | 16 |
- 40 × 40% = 16