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連結子会社が保有していた自己株式を消却した場合は、親会社の持分比率も非支配株主持分の持分比率も変動しません。子会社における自己株式の消却の処理を取り消す仕訳を行います。

連結子会社が自社の株式を消却した場合の仕訳
(前提条件)
  • 親会社はX0年3月31日に、S社の株式の64%(64株)を1,280で取得し、連結子会社とした。
  • 支配獲得時のS社純資産は資本金1,600、利益剰余金400であった。
  • 支配獲得時のS社の資産・負債の簿価と時価は同額であった。
  • S社はX1年3月31日に自己株式20株を400で非支配株主から取得した。
  • 自己株式取得直後のS社純資産は資本金1,600、利益剰余金600(当期純利益200)、自己株式△400であった。
  • S社はX2年4月1日に自己株式20株を消却した。
(連結消去・修正仕訳)
開始仕訳
(借方) 資本金 1,600 (貸方) 投資勘定 1,280
利益剰余金 *2472 非支配株主持分 *1360
資本剰余金 32
自己株式 400
  • ( 1,600 + 400 + 200 – 400 ) × 20% = 360
  • 400 + 72 = 472

子会社の個別財務諸表上では、自己株式を消却した際に自己株式の帳簿価額をその他の資本剰余金から控除しています(自己株基準11項)。そのため、連結財務諸表上では取消仕訳を行います。

自己株式消去仕訳の取消
(借方) 自己株式 400 (貸方) 資本剰余金 400