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時価評価した後の持分法適用会社の純資産のうち、親会社持分相当額と、各投資日ごとの取得原価との差額は、のれんまたは負ののれんとして認識します(持基11項)。

のれんの場合は、投資勘定に含めて処理し、原則としてその計上後20年以内に、定額法その他合理的な方法により償却を行います。ただし、重要性が乏しい場合には、のれんが生じた期の損益として処理することができます。また、負ののれんについては発生時の損益として持分法による投資損益に含めて処理します(持分指針9項)。

のれんまたは負ののれんの計算

(前提条件)

  • 株式の取得状況は以下のとおりであった。

株式取得状況

  • 持分法適用会社の純資産と土地の簿価および時価は以下のとおりであった。
  X0年度末 X1年度末 X2年度末
純資産 2,000 2,400 2,600
土地(簿価) 1,600 1,600 1,600
土地(時価) 1,800 2,000 2,200
  • それぞれの株式取得日における投資原価は以下のとおりであった。
  X0年度末 X1年度末 X2年度末
投資原価 120 +160
計280
+360
計640
  • 税効果は考慮しない。

1.原則法

  X0年度末 X1年度末 X2年度末
のれん ※110 ※220 ※340
  • 120 – ( 2,000 × 5% + 10 ( 評価差額 ) ) = 10 ( のれん )
  • 160 – ( 2,400 × 5% + 20 ( 評価差額 ) ) = 20 ( のれん )
  • 360 – ( 2,600 × 10% + 60 ( 評価差額 ) ) = 40 ( のれん )

2.簡便法① 原則法で処理した場合と著しく相違しない場合

  X0年度末 X1年度末 X2年度末
のれん 0
  • 640 – ( 2,600 × 20% + 120 ( 評価差額 ) ) = 0

3.簡便法② 詳細データ入手不能により、X1年年度末を簡便法適用日とした場合

  X0年度末 X1年度末 X2年度末
のれん ※10 ※240
  • 280 – ( 2,400 × 10% + 40 ( 評価差額 ) ) = 0
  • 360 – ( 2,600 × 10% + 60 ( 評価差額 ) ) = 40